「何のために勉強するのか分からない」、「受験勉強でやったことなんて社会に出てから役に立つの?」という疑問について、いくつかの視点から考えてみたいと思います。ご参考になれば。
【学歴なんて】
学歴は、人のアイデンティティーを構成する一つの要素でしかありません。
「○○大卒」と書いて見せるとお金がもらえるなんてこともありません。
ですから、学歴のために勉強するのは、自己満足や見栄でしかありません。
大事なのは、その人がどんな人なのか、何ができるのか、というところです。
より社会の役に立てる人になりたい、こんな仕事ができるようになりたい、こんな夢をかなえたい、もっと深くこれを知りたい
そんな目的があって、それを実現する一つの手段として進学という選択肢があり、そうした結果、勝手についてくるのが学歴です。
よりレベルの高い大学に行けば、よりレベルの高い授業、教授、学生、環境に恵まれる可能性が高くなります。
そして、そのようなところで自分を高めた人は、きっと社会でも高く評価されるでしょう。
企業の就職面接の場面で考えてみましょう。
履歴書の学歴欄だけを見たとき、人事担当者が、
「この人はあの有名な○○大学卒か。それなりに受験勉強も頑張ったのだろうし、卒業するためにあの大学の中で頑張ってきたんだろう」
とプラスに考えるのは、自然なことではないでしょうか。
もちろん、この段階ではまだ推定なので、面接等に進んでその評価が変わることはいくらでもありえます。
しかし、学歴だけで人を判断するわけではありませんが、その人を示す一つの要素としては、学歴は持っていて損はないものといえます。
ほとんどの人が、社会では何らかの競争にさらされます。
その中で、他の競争相手から抜きん出る何かを持つ必要があります。
それが他にあれば、別に学歴なんてなくてもいいんです。
【物知りは楽しい】
いろんなことを知っているということは、何かを見聞きしたときに考えられることが多いということです。
サッカー経験者なら、メッシやC.ロナウドのプレーを見て、「あのトラップが・・・あのステップが・・・」と語れるようなものでしょうか。(私にはよく分かりませんが。)
私自身は中学時代に柔道をやっており、足さばきや体重移動、組み手などが分かるようになってから、共通点の多い相撲を面白く観られるようになりました。
自分はまったく興味がないスポーツでも、一生懸命に応援したり趣味でよく観戦したりしている人がいますよね?
その人たちは、そのスポーツの楽しみ方を知っているんです。
そして、あなたが分からないところに楽しさを感じることができているんです。
楽しめるものが多いって、少なくとも損ってことはないですよね。
楽しいというのは、「あはは」と笑えるfunnyなおもしろさだけではなく、「へぇ~」「なるほどね」と知的好奇心をくすぐられるinterestingなおもしろさもあります。
例えば法学部で法律を学んできた私の場合、事件のニュースをみたときに考えることは、法律を知らない人とは違うでしょう。
世界史や地理を勉強した人は、世界の果てまで行ったり、不思議を発見したりするテレビ番組を見たときに、人と違うところに目がいったりするでしょう。
物理を勉強した人は、落ちたりすべったりという日常目にする何気ない物の動きにも、数式が見えたりするでしょう。
「だから何だ」と言われてしまえばそれまでですが、知的好奇心がくすぐられ、満たされる悦びも、勉強の魅力ではないでしょうか。
受験勉強を乗り越え大人になって、ふと暇つぶしに歴史の教科書を読んでみると、読書として案外楽しめたりするものです。
「知ること」それ自体が娯楽になったりもするんです。
「そんなの知ってどうするの」なんてのは言うだけ野暮ってもんです。
【まぁ、やらなくても】
受験勉強はしなければいけないものではありません。
受験とは関係ない進路も沢山あります。
プロスポーツ選手、アーティスト、芸能人、職人などなど、受験知識以外の能力の方が求められる職業もいくらでもあります。
工業高校や商業高校、専門系の学校に行って資格や技術を身につけ、即戦力として働き出すのも、選択肢の一つです。
ですから、無理に普通科に行って大学に進学して・・・ってしなければいけないなんてことはありません。
ただし、一つ言わせてください。
どんな世界でも、長く、高いレベルでやっていくには、それなりの熱量が必要です。
それを生み出すのは、「その世界で一番になりたい」「みんなに認められる作品を作りたい」などのポジティブな動機です。
「受験勉強から逃れたい」「行けるところがここしかなかった」などのネガティブな動機で選んだ進路には、自分を納得させるだけの理由がありません。
それでは、その進路に対して本気にはなれないし、楽しくもないでしょう。
受験するにしてもしないにしても、「自分は将来こうなって、こんなことをしたい。だからこの進路を選ぶんだ。」という積極的な理由を見つけてほしいと思います。