今回は現代文という科目を取り上げたいと思います。
国語を教えているとよく耳にするこういった類の言葉。
得意な人は「なんとなく解ける。」
苦手な人は「センスがないから勉強してもムダ。」
ほんとにそうか?って話です。
センター試験の現代文は5択問題がほとんどです。
苦手な人は全部の選択肢が正しく見える。もしくは何を言っているのかよく分からない。
そして「どれもそれっぽいこと書いてあるやんけ!」となって20%の勝ち目の薄い勝負につっこんでいくわけですね。
国語ができる人は20%をたまたま当て続けられるラッキーマンではありません。
そもそもセンター試験のような択一問題は確実に一つの答えに絞れなければ問題として成立しません。
センター試験の過去問を扱っている教材などの解説を読んでみてください。センス、感覚なんて言葉は出てこないはずです。(出てきたらそれは解説と呼べるのか怪しい代物ですね・・・)
記述式にしても、模試の解説などをよく見てください。採点基準が明確に設定してあり、何故その要素を拾わなければならないのかを説明しているはずです。
現代文の試験は、端的に言ってしまえば「本文に書いてあるのってどういうこと?」という問いです。
漢字や語彙などの知識が問われるのは一部で、配点のほとんどを占める読解問題は答えが本文中にすべて書いてあります。
ですから、①本文をよく読んで筆者の主張をとらえる、②出題者がどこを答えさせたいのかを見つける、③選択肢を吟味するという3つをどれだけ正確にできるかという問題です。
苦手な人は、本文が読解できていない、答えが書いてあるところが見つからない、ダミーの選択肢を根拠を持って切れないといった点に問題があるのでしょう。
原因はそれぞれ、その改善のためにやるべきこともそれぞれです。
言葉が難しくて読んでいてよく分からないという人は語彙力を強化しましょう。
スピードが足りない人は、接続詞や段落の展開から読むべきポイントに強弱をつけムダを省く、切れ目を意識した速めの音読をするといった練習をしましょう。
選択肢を切れない人は、模試や過去問などで徹底的に1つ1つの選択肢を切る練習をしましょう。
※理系の人で、「センターでしか国語を使わないから記述模試はどうでもいい」という人もいるかもしれませんが、限られた字数にどんな要素を盛り込むかを考えるときの思考は、選択肢を検討するときの思考と中身は同じです。記述で要素を拾いきれない、採点基準に乗っかれないのなら、マーク式になったところで選択肢の検討に穴が出てくるでしょう。対策の軸足はマーク式に置きつつ、記述模試では全力で解いて復習しましょう。
母国語である日本語をどれだけ正確に扱えるかは、思考の深さを左右する重要な能力です。
2000年にノーベル化学賞を受賞した筑波大学名誉教授の白川英樹氏も、日本人が日本語を使って学んでいることの重要性を語っておられます。(詳細はmugendai様の2017.8.29の記事を。)
入試の配点など受験の戦略において現代文をどう扱うかについてはいろいろな考えがあるでしょうが、「やってもムダという科目ではなく、勉強法や正解に至る思考方法があること」「身の回りには日本語があふれていること」は意識してみてもいいのではないでしょうか。