2021年1月16日実施 第1回共通テスト第一日程 漢文『欧陽文忠公集』『韓非子』

文責:宮崎県都城市の学習塾 個別指導塾Ace

【問題文1】

私には千里を走る立派な馬がいる。

毛並みと骨格はなんとも引き締まって美しい。

速く走れば疾風のようで

太陽の下で影すらとどめないほどだ。

ゆっくり駆ければ大きな道に行きあたり

その足音はあの(中国の伝統的な)音階のようだ。

馬に四本の足があるといえども(実際に足を動かすのは馬だが)

速さは私の思うがままだ。

手綱は私の手にすぐに反応し

大小の琴のように調和している。

東西南北

山や林を上り下りする。

ただ気持ちの向かうままに行き

中国全土どこへでも行くことができる。

人と馬はこれほどの境地に至れるものなのか。

互いの楽しみを侵すことがない。(人と馬が調和し、互いの望みを叶えあう状態)

伯楽は馬を見る名人であったが

ただその馬の価値が千金に値することがわかるだけだ。

王良は馬の性質をよくつかんでおり

その御術はそもそも(馬の価値を見抜くだけの技術より)深いものである。

良い馬には良い乗り手が必要である。

私のこの言葉を心に留めておくべきだ。

【問題文2】

だいたい、御術において重要なのは、馬が馬車とよくなじみ、人の心と馬が調和し、そうなってはじめて速く遠くへ行くことができるのです。

今、あなたは私より遅れると追いつこうとして、私の前に出れば追いつかれるのを心配しています。

そもそもレースというものは、先行しないのであれば遅れるものです。そうしてあなたは私との順位ばかりを気にしています。

そんなことではどうして乗り手の心と馬が調和することがありましょうか。

これが、あなたが負ける理由です。